リストラ
カルロス・ゴーン氏(フランスの自動車会社ルノー取締役会長兼最高経営責任者、日産自動車会長)が報酬の過少申告で逮捕された。過激なリストラでコストカッターの異名を持つ男の背任とはどういうものだろう。
戦後日本の建て直しを図った1949年の公務員大リストラで旧国鉄職員の解雇は約10万人、交渉の矢面に立った下山定則氏(国鉄初代総裁)には職員やその家族から懇願や脅迫の手紙が押し寄せ、実直な人柄と言われた総裁は神経衰弱症に陥った。そして第一次解雇通告の翌日行方不明となり深夜0時過ぎ国鉄線路上にて轢死体で発見された。
下山総裁の死はさまざまな利害が絡み下山事件と称され自殺か他殺か今も真相は不明であるが職員の大量解雇に総裁が心痛を感じていたことには違いはない。
就任後の仕事が大量解雇とすでに決まっておりコストカットを期待され日産自動車に迎えられたゴーン氏に、そもそもの責任はなくゴーン氏がそれに心痛を覚えるべき必要はないがそれと同様に、今回の背任行為の判定に氏の実績を酌量すべき必要も別にない。