ウィスキーマン男はつらいよ

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卒業制作

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これは母校の小学校にある私の学年の卒業制作「希望の塔」。

耐震強度に対する不安から撤去の可能性があると若い先生から偶然聞かされた。

 

これの製作にはまず彫刻用ブロックが卒業生各自に配られ「顔」を彫るように指示された。

鏡を見て苦心しながら自画像を彫る級友もいたが、顔は何でも良かったので楽をしたい私は、少年向け推理小説の裏表紙に載っていた仮面の1つを選んで彫った。できた「顔」は工務店を営む同級生の父親の手で針金とモルタルで円柱状にまとめられた。

希望の塔と名づけられて卒業制作は完成した。

上部はそれほどでもないが下部の保存状態はひどいもので、ブロックの縁しか残っていないものもある。磨耗の大半は風化よりも後輩児童たちの悪戯によるものだろう。私の「仮面」は下部の方だったはずなのでもう判別できない中のどれかだが位置までは分からないし別に気にしていない。

それにしても普段はこの塔のことを思い出しもしないが前に立つと色々と、例えば私の仮面は挿絵の真似だが事情を知らない先生は褒めてくれたことや、施工を担当した同級生の親が子供らに囲まれニコニコしながら作業していたことなど思い出す。

撤去の話を教えてくれた先生に卒業年度を聞かれたので伝えておいた。学校には過去の卒業アルバムが保管してあるらしいので卒業生の当時の住所は分かる。

手抜き製作で大した思い入れもない私でも記念に写真を一枚撮った程だからまじめに取り組んだ者はなおさらだろう。

もし撤去となれば悲しい気がするが倒壊の危険を思えばやむおえない。

できるだけ沢山の級友たちが自分の「顔」と再会できればと思う。